顎関節症
顎関節症とは？
顎関節症とは、「口を開けると痛む（開口時痛）」「口を開くことができない（開口障害）」「顎を動かすと変な音がする（関節雑音）」といった症状が現れる顎の疾患です。これらの症状は、顎の関節を構成する骨・筋肉（咬筋・側頭筋など）・関節円板・靭帯などの異常によって生じます。
タイプ別には1型（筋肉の異常）、2型（関節靭帯の異常）、3型（関節円板の異常）、4型（骨の異常）、5型（どれにも当てはまらない）の5つがあります。この症状は女性に多く、年齢は10歳代後半から増加し、特に20～30歳代に多く見られます。実は、2人に1人が経験するとも言われており、多くの方が関係する可能性がある症状です。
顎関節症の根本原因は？
顎関節症は、以下の5つの型に分けられます。
1型は、咬筋や側頭筋の使い過ぎが原因となり、こめかみに痛みが生じます。
2型は、靭帯の異常が原因で顎が捻挫している状態になります。無理に口を開けたり、歯ぎしり、食いしばり、固い食べ物を食べることなどが原因となります。
3型は、関節円板の異常が原因です。関節円板は上顎と下顎の間に存在し、クッションのような役割を果たしますが、これがずれてしまうことで、口を開ける際にポキポキ音やカクカクといった関節雑音が発生することがあります。
4型は、下顎骨の関節突起の変形によるもので、診断が困難な場合があります。
最後に5型は、上記4つの型に当てはまらないものを指します。
こんなお悩みはありませんか？
1 顎が動かしにくい
2 何もしてないなくても顎が痛い
3 口を開けるとカクカクと音がする
4 口を大きく開けられない
5 食べ物が噛みにくい
他にも、
・顎関節症には、頭痛や肩こり、眩暈、目の疲れなどの症状が伴うことがあります。
・症状は人によって異なりますが、1つ以上の症状が当てはまる場合、顎関節症が疑われます。
・顎関節症の症状を持つ人は全人口の7～8割に上っているとされています。
・痛みは耳の前やこめかみ、頬にも現れることがあります。
・硬い物を噛むと顎に痛みを感じることもあります。
・顎関節症は、タイプ別に1型、2型、3型、4型、5型に分類されています。
顎関節症に対する当院の考え
顎関節症には様々な原因がありますが、日常生活の中で顎への負担が積み重なることが原因とされています。具体的に顎に負担をかける要因としては、歯ぎしり、食いしばり、上下の歯を接触させる癖（Tooth Contacting Habit：TCH）、うつぶせ寝、頬杖などが考えられます。
顎関節症は早期に施術を開始するほど軽減が期待でき、放っておくと慢性化し、施術も長引く傾向にあります。日常生活の中で気になる方は、早めに対処することをおすすめいたします。
また、施術を始めても生活の中での要因を取り除くことができなければ、再び症状が出てしまい、施術に依存することになってしまいます。日常の中で可能な限り要因を取り除くことが、顎関節症の施術では何よりも大切です。
顎関節症はなぜ起こるのか？
顎関節症の主な原因として考えられるのは、日常生活での生活習慣にあります。例えば、食事の際に左右どちらかで噛んでいること、うつ伏せで寝てしまっていること、頬杖をついてしまっていることなどが原因と考えられています。最近では、長時間のスマホの使用やデスクワークにより、猫背や頭が前に傾く前傾姿勢が長時間続いてしまうことも原因として考えられます。
また、主な原因としてストレスが挙げられます。ストレスがかかることで身体に過度の力が入り、さらに歯の食いしばりが起き、それが習慣化することにより、顎関節にかかる負担が大きくなり、顎関節症のリスクが高まる可能性があります。
顎関節症を放っておくとどうなるのか？
顎関節症を放置すると、顎の局部的な炎症だけでなく、進行して全身に広がる恐れがあります。顎のずれや噛み合わせが悪化すると、顔の骨格の歪みや背骨の歪みなど、全身に症状が現れることもあります。
軽度の場合、口が開けづらい、かくかく音がする、痛みがあるといった症状が見られます。中等度になると、痛みや違和感が増すことがあります。重度になると、顎の機能が壊れ強い痛みが出る、口が開かなくなる、顎が外れる、目眩、吐き気、目の疲れなどの症状が現れることがあります。
症状が重くなるにつれて、さまざまな不調が起こり気分が落ち込むことがあり、日常生活に支障をきたす恐れもあります。
顎関節症に効果的な当院の施術メニューは？
顎関節症に効果が期待できる当院の施術メニューをご紹介します。
まず、1つ目に「ドライヘッド矯正」です。顎関節症の原因となる咬筋、側頭筋、斜角筋、後頭下筋にアプローチすることができます。これにより、歯ぎしりや噛み締め癖につながる筋肉の硬化や、頭部、首、肩の凝り、顎関節周りの筋肉の緊張を軽減でき、開口障害や疼痛の軽減が期待できます。
2つ目は「鍼施術」です。ドライヘッド矯正と同様に、筋緊張の緩和が期待できます。また、自律神経の調節により、睡眠の質や生活習慣の改善が図れます。さらに、筋緊張の緩和により再発を防ぐための予防としても効果が期待できます。
その施術を受けるとどう楽になるの?
鍼には顎関節症による痛みが生じている箇所やツボを刺激することで、痛みを和らげる効果が期待できます。鍼による刺激が脳へ伝わると、脳内で鎮痛物質が放出され、痛みの伝達が抑制されたり、神経の興奮が治まるため、顎関節症での痛みの軽減が期待できます。顎関節症によっては、口を開けたり閉じたりする際に顎に生じる痛みを軽減することができます。
鍼を使用することで、深層部の筋肉の緊張を緩和することができるため、顎関節症の症状の軽減が期待できます。顎関節を動かす筋肉の一部は深層部に位置しており、鍼で直接刺激することで筋肉の緊張を緩和し、筋肉の動きを改善することができます。筋肉の動きが改善されると、口を開けたり閉じたりする動きがスムーズになり、顎関節症の症状である開口障害・関節雑音・顎関節痛の軽減が期待できます。
鍼には抗炎症作用もあり、免疫細胞が活性化されて、顎関節症の痛みの原因の一つである顎関節の炎症を抑えることができます。顎関節症は顎関節周囲の筋肉や関節部に過度な負担やストレスがかかることで炎症を起こし、筋肉や関節を動かす際に痛みが生じたり、顎関節の動きが鈍くなるなどの症状を引き起こします。まずは炎症を抑えることで、顎関節症の辛い症状の軽減が期待できると考えられます。
鍼によって血流が促進されると、顎関節周辺の組織が修復され、顎関節を正常な機能へと戻すことができる効果が期待できます。鍼を顎関節周辺に施術することで体の修復機能が高まり、血流が促進されます。血流が促進されると、顎関節症の原因となる筋肉の損傷や関節部の炎症といった状態が修復されるため、顎関節症の軽減が期待できます。
顎関節症を軽減するために必要な施術頻度は？
顎関節症の施術期間は、発症からの経過時間や骨格の歪み具合、原因にもよるため、個人差がありますが、一般的には2週間から3ヶ月の間と言われています。
例えば、骨格から施術を行う場合、当院の施術メニューにはドライヘッド矯正（頭蓋骨矯正）があります。この場合、歪みの癖が取れるまで矯正を続ける必要があります。人の骨格は矯正で正しい位置に戻したとしても、最大72時間で矯正前の状態に戻り始め、早い方では翌日には戻り始めてしまうこともあります。そのため、矯正をした良い状態を維持するためには、1週間に2～3回の通院が理想とされています。
